CO2削減、廃棄物削減、環境に優しいカチオン電着塗装
従来、下塗り塗装は作業者によるスプレー吹き付けが主流でした。この方法は塗着効率が悪く塗料の大部分を大気中に捨てており、また品質は作業者の技術に大きく左右されるものでした。そこでクボタは業界で初めてカチオン電着塗装を採用しました。
カチオン電着塗装は、高防錆力塗装として自動車から家電製品、建築資材等に幅広く下塗りとして使用されてきました。また、塗着効率・塗料回収効率に優れ且つ鉛フリーの水性塗料を使用しているのでVOC(揮発性有機化合物)の発生が少ない環境配慮型塗装として広く知られています。
カチオン電着塗装(Cathodic Electro-Deposition)とは?
部材を水溶性塗料中に浸漬して、部材を陰極(ー)、電着槽を陽極(+)として、この間に直流電流(300V)を流すことにより電気的に塗料の微粒子を部材に引きつけ均一で緻密な塗膜を形成する方法です。
この塗装方法は塗料が部材の狭い隙間まで入って行き、全表面に均一な塗膜を形成します。
電着槽から引き上げたとき、水に不溶でかつ含水率の少ない塗膜が得られ、経済的で安全な焼付けを行うことができます。
塗装イメージ

塗装工程

高い防錆力
作業者の技術に頼らない電流値管理による浸漬型塗装です。部材の局面、エッヂ部でも均一な塗膜が形成され、更に塗料にエポキシ系を使用しているので高い防錆力が得られます。
オフガス対策としても効果的です。
電着塗装後約170℃の温度で焼付けを行います。
そのときに塗料中のケミカル成分が飛散するので常乾塗装と比べオフガス対策に有効です。
シックハウス(室内空気汚染)にも対応
室内空気の汚染源の一つとして塗料などに含まれる有機溶剤が発生する揮発性有機化合物(VOC〜Volatole Organic Compounds)があるとされています。
- 塗料中に微量(PPM)単位に存在するキシレン・エチルベンゼンは塗膜焼付け時に飛散します。
- スチレンはアクリル樹脂の素材料として使用されますが反応に全てが消費されているため存在しません。
- 上記以外の規制対象となるユリア・メラミン・フェノール・レゾルシノール樹脂等は電着塗料には配合されていません。
- F★★★★の規制対象外の塗料を使用しています。
カチオン電着塗装は吹付塗装に比べ、エッヂ部を含め均一な塗膜形成が得られます。それにより高防錆性が確立され、製品の耐久性を大幅に強化しました。
塗膜断面モデル

環境に優しい塗装です。
- 塗装作業が自動化され最適化が図られておりCO2削減に繋がります。
- 鉛フリーの水溶性塗料なので引火性・有毒ガスの発生がなく安全です。
- 塗料ロスが少なく、塗料回収率も高いので塗料の使用量を削減できます。
塗装効率

カチオン電着塗装を施したファン
